地震酔いにサヨナラ!地震の揺れを感じさせない免震住宅とは

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地震で起きる揺れで気持ちが悪くなる、いわゆる「地震酔い」に悩まされる方は意外と多いもの。「地面が揺れているのだから仕方ない」と諦めていませんか? 実は、地震による揺れを抑えることができる住宅があるのです。それが「免震住宅」。

今回は、免震住宅とはどんな住宅か、どんな仕組みで揺れを逃がすのか、そして免震住宅のメリット、デメリットについてもご紹介します。地震の揺れに悩まされない生活を手に入れるために、ぜひご一読ください。

1、免震住宅とは?

免震住宅とは免震構造で建てられた住宅のことで、耐震住宅や制震住宅と同様に、地震による建物の倒壊を防止する建築構造のことです。では、免震構造とはどんな構造を指すのでしょうか。

従来の建物は、地面の上に建てられます。その場合、地震が起こった時に地面から直接地震の揺れが伝わるため、建物が大きく揺れ、家具が転倒したり、照明器具が落下したり、建物に亀裂が起きたりする危険があります。また、激しい地震の場合には、建物の倒壊のリスクも考えられます。

また、耐震住宅の場合、地震に耐えるために、壁や柱を補強しているため、倒壊はまぬがれるものの、従来の建物同様に建物内部は家具の転倒などのダメージが起こるリスクは残っています。

出典:http://www.menshin.biz/?q=node/3393

一方、免震構造の場合、地面の上に免震装置を置き、その上に建物を載せるので、地震が起こっても免震装置が地震の揺れを吸収し、建物に地震の揺れが伝わりにくくなるという特徴があります。

つまり、免震住宅なら、建物自体の揺れが小さくため、建物の倒壊はもちろん、建物内部のダメージも最小限に防ぐことができるのです。

このように、地震に強い家というと少し前までは、耐震性能のある家が主流でしたが、最近は免震構造を持つ建物の認知度も上がって来ているので、これから家をたてる方や、家の耐震補強工事をご検討中の方は、免震住宅についてもチェックしておいてもいいでしょう。

一般社団法人日本免震構造協会によると、免震建築の歴史はすでに30年以上あり、現時点でビル2000棟、戸建住宅で3000軒ほどが建設されているとのことですので、今後は免震構造を持つ建物がどんどん増えていく可能性があるでしょう。

2、免震技術や免震装置について

出典:https://www.zenitaka.co.jp/solution/menshin/gijutu-3.html

免震住宅は、地面に直接家を建てるのではなく、地面の上に設置した免震装置の上に家を建てます。ところで、この免震装置にはどのようなものが使われているのでしょうか。ここでは、免震装置の種類についてご紹介します。

(1)免震装置の種類

免震装置には様々な種類がありますが、アイソレータとダンパーの2種類を組み合わせて設置するのが一般的とされています。

①アイソレータとは

出典:https://www.atpress.ne.jp/news/21352

アイソレータは大きく分類すると、ゴムと銅板を交互に何層も重ねた「積層ゴムアイソレータ」、大きな地震の際に程よい摩擦抵抗力を保持しながら横滑りする「すべり支承アイソレータ」、地震の際に水平方向に自由に動くことで揺れを建物に伝えないようにする「転がり支承アイソレータ」の3種類があります。そして、最もよく使われているのは、積層ゴムアイソレータです。

アイソレータは、地面と建物を断ち切る役目を担っており、このアイソレータがあることで、地震が起こったときの激しい揺れを長い周期の揺れ(つまり、ゆっくりとした揺れ)に変えることができます。

基礎と柱の下に特殊なすべり材を挟んだ構造になっている免震装置です。

②ダンパー

出典:https://www.atpress.ne.jp/news/21352

ダンパーには、銅や鉛を用いた「金属ダンパー」、オイルのような流体を使った「オイルダンパー」などの種類があります。ダンパーはアイソレータと同様に、振動エネルギー(揺れ)を吸収し、建物に伝わる揺れを軽減させる免震装置です。

アイソレータとの違いは、建物を支える役割があるかどうかです。アイソレータは、建物を支えながら揺れを軽減させますが、ダンパーは揺れを軽減させる役割のみを担っています。

3、免震住宅のメリット、デメリット

免震住宅は、ここまでご紹介したように、免震装置をうまく組み合わせて建物と地面の間に設置することで、建物を地震から守り、直接建物に揺れを伝えないようにすることができますが、それ以外に知っておくべきメリットやデメリットがあります。

(1)免震住宅のメリット4つ

①地震による二次被害を防ぐことができる

一般的な住宅をはじめ、耐震住宅や制震住宅のように建物内部までダメージを受けることがないため、家具の転倒による怪我や火災などの心配がほとんど要らなくなります。

②既存の戸建住宅にも導入可能

建築済みの木造住宅でも、建物と土台(基礎部分)を一度切り離し、その間に免震装置を挿入し、固定する方法で免震が可能なのでリフォームのついでに免震住宅にすることができます。

③地震特有の揺れが苦手な方には住みやすい環境である

耐震住宅や制震住宅では、大地震が起こると家具や照明が激しく揺れるため、怖くなってしまう方や、揺れによって気分が悪くなる方もおられます。そんなときには、ゆっくりとした揺れになる免震住宅がおすすめです。

④日本で最も地震に安全

耐震、制震と比較し、現在の日本では免震は最も地震への安全性の高い建築方法であると言われています。

⑤縦揺れ対策にも有効

免震住宅は、横揺れには効果的だけれど、縦揺れ(いわゆる直下型地震)には有効ではないと誤解されている方もおられますが、そんなことはありません。

大地震では縦揺れが先に起こり、その後、建物を揺さぶる横揺れが起こります。この横揺れは、縦揺れの何倍もの大きさがあるため、建物に深刻な被害をもたらします。そのため、一般的には横揺れ対策が肝心と言われています。免震住宅は、日常生活を送る上で、横揺れを免震する有効な技術なので、地震対策には十分有効だと考えられています。

(2)免震住宅のデメリット

①施工時の費用が高い

免震装置、水道管などの設備を取り入れなければならないため、別途300〜600万円程度の費用が必要となります。

②地盤が弱いと導入できない場合もある

免震住宅は、地面の上に免震装置を設置するため、地盤が弱い土地や液状化しやすい土地には導入できない場合があります。ただし、土地改良工事を行えば、導入可能なケースもあるので、建築士や施工業者によく相談しましょう。

③地下室は作れない

免震住宅では、免震装置を地面に設置するため、地下室を作りたいという方には向いていません。

④定期的なメンテナンスが必要

免震住宅は、施工時にも他の地震対策と比較し、多少コストのかかる工事になりますが、免震装置にゴムを使っているため、経年劣化は避けられず、定期的なメンテナンス費用が必要となって来ますので、それも予算に入れておく必要があります。

ちなみに免震構造を持つマンションなどの集合住宅では、5年おきの定期点検、地震・強風・水害などがあった際にしておく応急点検、定期点検で異常が見られた際におこなう精密点検をしていますので、戸建住宅の場合も自主的にメンテナンスのための費用を積み立てておくのがおすすめです。

⑤全く揺れないわけではない

「免震構造とは」の項目でもご紹介しましたが、免震構造は、地面の揺れを直接建物に伝えにくくする構造であるため、揺れの感じ方を小さくすることはできますが、全く揺れないというわけではありません。また、揺れの感じ方には個人差もありますから、絶対に揺れを感じないとは言い切れないことを覚えておきましょう。

⑥きちんと施工してくれる業者を選ぶ必要がある

最近、免震装置を製造している大手ゴム会社の偽装などがニュースで報道されました。そんな風にせっかく免震住宅にしても、施工業者が丁寧に施工してくれなかったり、免震装置そのものに問題があったりすると、いざ地震があったときに、その効果が発揮されません。

免震住宅を建てるときは、メンテナンスやアフターフォローがしっかりしている信頼できる業者を選びましょう。選び方に迷ったら、地元の不動産業者に紹介を依頼するのも手です。地域密着型の不動産業者であれば、地元の業者の情報にも長けています。やみくもにインターネットで検索するよりもはるかに効率よく良い業者に出会えるでしょう。

4、まとめ

いかがでしたか。今回は免震住宅についてご紹介しました。免震、耐震、制震など、地震に強い家を作る方法は色々ありますが、現状、もっとも優れた工法であるのは免震工法です。

現在、日本では耐震住宅の建物の方が多いですが、今後免震住宅もどんどん増えていくと考えられます。

これから家を建てられる方はもちろん、地震に備えて補強工事をされるご予定の方でも基礎部分に導入は可能ですので、検討してみられると良いのではないでしょうか。

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