一家がみんな幸せになるバリアフリー住宅の理想の間取り

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家を建てるというと、どうしてもおしゃれで素敵な家にしたいと思ってしまい、広さやデザインにこだわりたくなってしまうものです。例えば、ロフトのある家、スキップフロアの家、二階が玄関の家、地下室のある家など、誰しも一度は憧れるでしょう。

しかし、今や世間は全ての人が快適に過ごせるユニバーサルデザインがスタンダードになりつつあります。つまり、段差など障害物となるものを極力減らす、バリアフリー住宅が推進されていると言っても過言ではありません。一生住む家だからこそ、安全で快適な住まいあることが最も大切だからです。

では、安全で快適に暮らせるバリアフリー住宅にするための理想の間取りとはどんな間取りなのでしょうか。今回は、バリアフリー住宅にするなら押さえておきたい大切なポイントと、安全で快適に暮らすための理想の間取りについてご紹介します。

1、バリアフリー住宅とは?

バリアフリー住宅とは、高齢者の方々が、なるべく不自由なく、安心、安全、快適に日常生活を送ることができるようにした住宅のことです。具体的には、段差をなくしたり、手すりをつけたり、廊下を広くしたりなどの工夫が施された住宅をさします。

最近では、年齢や性別に関係なく、すべての人が快適に過ごせるようにデザインされた(ユニバーサルデザイン)住宅も、バリアフリー住宅に共通する部分が多いため、両者の良さをうまく取り入れた物件もたくさん見られるようになってきています。

2、理想はやっぱり平屋建て!快適に暮らせる理想の間取りにするには?

土地の狭い日本では、戸建て住宅といえば、今や2階建、3階建てのものが主流です。ところが、階段のある家では、本当の意味でバリアフリー住宅とはいえません。

やはりせっかくバリアフリー住宅にするならば、昔の日本のように平屋建てで、なおかつ段差の少ない家にするのが理想ですよね。では、憧れの平屋建てで理想のバリアフリー住宅にするには、どんな間取りにするのが良いのでしょうか。

ここでは、これからバリアフリー住宅を建てられる方が参考になるような素敵な平屋建てバリアフリー住宅の間取りをいくつかご紹介します。

(1)風通しが良く採光の確保が魅力の平屋プラン!

子育てを終えたご夫婦がお二人で住むのにちょうど良い広さの28坪の平屋。開口部(窓や出入り口)を多く設け、日当たりや風通しを良くした間取りです。廊下がなく、パートナーの気配をいつでも感じられる安心できる空間が魅力です。

(2)車椅子や介護の必要な方に!動線が一本で完結する究極の間取り

寝室の扉を開ければ、玄関まで一本の動線で繋がっています。車椅子生活のご予定の方や、デイサービスを頻繁に利用される方はとても移動がしやすい16坪程度の間取りとなっています。

ただし、玄関を開けたらすぐに寝室というのは、防犯面で心配な点もありますので、セキュリティを強化するなどの工夫が必要です。

(3)オシャレな上にバリアフリーで快適な平屋プラン

出典:http://www.jahbnet.jp/koumuten_0196/work/1627

左右非対称の屋根がオシャレな平屋建て住宅。一見、普通の一戸建てに見えますが、車椅子でも移動が楽なようにスロープが設置されています。

出典:http://www.jahbnet.jp/koumuten_0196/work/1627

また、トイレも車椅子のまま入れるようにしっかりと空間をとっています。手すりの代わりに曲線のカウンターが設置してあるので、移動しやすいのが魅力です。

(4)夏は涼しく、冬は暖かい!自然素材に囲まれたバリアフリーの平屋

出典:http://myhome-i.net/company/b085/case/328

段差や廊下のないフラットな間取りはもちろんですが、ヒートショックなどの心配が少ないと言われる自然素材を使った平屋もおすすめです。

また、和室は小上がりにすると、疲れたときにすぐに腰掛けられますし、床下は十分な収納スペースにもなるのでおすすめです。

(5)平屋でもプライバシーを守れる!二世帯向きバリアフリー住宅

バリアフリー住宅なら理想は平屋。でも、介護の都合で二世帯にしようとご検討されている方の中には、プライバシーの問題や、物音、話し声などが原因でトラブルにならないかご心配されている方も多いのではないでしょうか。

平屋でも最低限のプライバシーを守れる上にバリアフリーでもある素敵な平屋プランを作ることは可能です。

出典:http://www.sxl.co.jp/products/tasetai.html

玄関を中心に持ってきて、左右で親世帯、子供世帯と分けてしまえば、意外と簡単に平屋の二世帯住宅は完成します。あとは、親世帯スペースに段差を作らないように注意すれば理想のバリアフリー住宅が完成します。

出典:http://www.sxl.co.jp/products/tasetai.html

3、2階以上の戸建てでバリアフリー住宅!理想な間取りとは?

(1)2階建以上のバリアフリー住宅VS平屋建てのバリアフリー住宅

土地の買い替えが難しく、今持っている土地でバリアフリー住宅に建て替えたいけれど、狭小地のため困っているという方や、二世帯住宅でバリアフリーをご検討中の方は、2階建や3階建の戸建て住宅にされる方が多いです。

しかし、今は、2階や3階への移動は可能でも、将来的に車椅子での生活になった場合や階段の上り下りが負担となった場合、1階以外は無駄なスペースになってしまうかもしれません。

もしも、子供の家族と同居の予定がないなら、やはり、平屋建てのするのが理想の間取りなのではないでしょうか。

(2)二世帯住宅でバリアフリーなら上下分離型が理想!

バリアフリー住宅なら理想はやっぱり「平屋建て」ですが、土地の問題、予算の問題で現実的ではない場合も多いです。

また、もしも子供世帯と同居するなど二世帯住宅でバリアフリーの家を建てることを検討されているなら、平屋建てにこだわらず、1階部分だけフラットな空間を作り、上下分離型の二世帯住宅にするという方法もおすすめです。

(3)バリアフリー住宅での家庭用エレベーター設置ついて

ところで、2階建、3階建の家を建てる場合、階段ではなく、家庭用エレベーターを設置しようかとご検討されている方もおられるかもしれません。

家庭用のエレベーターは、2畳分のスペースと400〜500万円の予算があれば設置可能なので、バリアフリーの2世帯住宅でも取り入れておられる方が多いです。家庭用エレベーターを導入すれば、上下階の移動が楽になる上、間取りの自由度もアップするという大きなメリットがあります。

しかし一方で、計画停電や災害が起こった際には使用できないリスクがあるということを忘れてはいけません。

また、事故防止のために、定期的なメンテナンス費用が必要になるなどのデメリットもありますので注意しましょう。

(4)廊下をどうするか?

理想的なバリアフリー住宅にするなら廊下は不要。その方が空間を有効活用できて一つ一つの部屋を広く取れます。しかし、二世帯住宅の場合、1階の部屋を全て通過しなければ2階に行けないとなると、お互いに気を遣ってしまうかもしれません。そんな時には、玄関から階段に通じる動線に一つ、廊下を入れると良いでしょう。

ただし、廊下を作りたい場合は、車椅子でも移動がしやすいように十分な幅を取ることが大切です。

(5)参考にしたいバリアフリー2世帯住宅の理想の間取りプラン

①上下分離型の二世帯住宅で一階部分をバリアフリーに!

こちらの間取りプランでは、1階は親世帯、2階は子供世帯に別れた上下分離型のバリアフリー二世帯住宅です。親世帯は玄関から1階全てのお部屋がフラットになっています。

こちらの間取りプランでは、1階は親世帯、2階は子供世帯に別れた上下分離型のバリアフリー二世帯住宅です。親世帯は玄関から1階全てのお部屋がフラットになっています。

出典:http://www.sxl.co.jp/products/tasetai.html

玄関を入って目の前に見える階段を上れば2階は子供世帯になります。広々とした土間は、将来の介護生活にも便利。共用部分から見える親世帯の和室は、お互いの気配を適度な距離感で感じることができる素敵な間取りではないでしょうか。

出典:http://www.sxl.co.jp/products/tasetai.html

②左右分離型で子供世帯の居住スペースのみ二階建てにするプラン

上下分離型ではなく、左右分離型の二世帯住宅。玄関を入ると左右に分かれるシンプルな二世帯プランです。親世帯は平屋風のバリアアフリー設計にして、子供世帯は二階建てにすれば、お孫さんができても部屋数に余裕があり、快適に暮らせます。

4、バリアフリー住宅にするなら!知っておきたい補助金制度について

理想のバリアフリー住宅を建てたいけれど、理想に近づけるほど予算もアップしてしまい、新築時の助成金を考慮したとしても、現実的には難しい場合もあります。そんなときには、予算内でできるだけお得にバリアフリー住宅を建てられるので、ぜひ自治体のホームページを調べてみることをお勧めします。

それは、バリアフリー改修工事を行なった場合、要件に該当すれば、所得税の減税が受けられる制度があるからです。

この助成制度は、スロープの設置や段差解消、手すりの設置などのちょっとした工事のみを対象としており、全面的な改築、増築、新築に関しては対象外とされています。

ではどのような工事であれば助成の対象なのでしょうか。

ある自治体のホームページによると、

  • 1年以上高松市内に居住している65歳以上の方
  • 日常生活で介護が必要な、寝たきりまたは準寝たきり状態の方
  • 対象者が属する世帯員が市税を完納していること
  • 生計中心者の前年所得が500万以下であること

となっています。

これらの要件を満たせば、「高齢者住宅改修費用助成制度」が受けられ、対象工事額の二分の一(上限50万円まで)などの助成を受けることができます。

快適に暮らせるバリアフリー住宅にするには、しっかり改修するのが理想です。しかし、バリアフリー住宅を建てるには親世帯と子供世帯の話し合いも必要な場合がありますから、予算面に限らず、なかなか思い通りにはいかないことも多いです。そういう場合には、このような助成制度もうまく取り入れてみてはいかがでしょうか。

5、まとめ

いかがでしたか。今回は、バリアフリー住宅の理想の間取りについてご紹介しました。

今は元気で何の問題もなく活動できていても、誰しも年齢を重ねたら体の自由がきかなくなってくるため、障害物の少ない空間で快適に暮らしていきたくなるものです。また、若くても、いつ何時日常生活に支障をきたす機会がくるかわかりません。そんな万が一の時に備え、今のうちにできるだけ住まいのバリアフリー化について検討して見られてはいかがでしょうか。

今回の記事が、これから老後に向けて家のリフォームを検討されておられる方や、二世帯住宅をご検討中の方、バリアフリーにご興味のある方のご参考になれば幸いです。

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