そろそろ建て替えたい……そう思った時に知るべき知識

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すでに一戸建ての家をお持ちの方で、家の老朽化が気になった場合や二世帯住宅への変更の場合には、お持ちの土地に建て替えをされる方が多いのではないでしょうか。これは、住環境に問題がなければ、新たに土地と家を購入するよりも今ある土地を有効に活用する方が経済的にも時間的にも現実的だからでしょう。

そこで今回は、そろそろ家の建て替えを検討した時に知っておきたい家の建て替えのメリット・デメリットや、建て替えに関する基礎的な知識、そして家の建て替えの一般的な流れについてご紹介します。

1、新たな土地購入よりも建て替えがおすすめの理由


家の老朽化や間取りの不自由さを感じるようになったら、住み替えや建て替えを検討するタイミングです。

ところで、家を住み替えるか建て替えるかの違いといえば、今住んでいる家の土地を持っているかどうかですよね。
マンションの場合、自分の土地ではありませんし、共有する部分も多いので大幅な工事が難しい場合もあります。ですから、住み心地が気になれば住み替えるしか選択肢はありません。

しかし、一戸建てで持ち家の場合は、その土地は自分の土地であるという方がほとんどですので、家を解体して建て替えるか、家と土地を売って、別の場所に土地と家を購入するかの選択が可能です。

一方、新たに土地を購入し、家を建てるとなると多額の費用がかかります。しかも、今の家と土地がすぐに売れるとは限りません。つまり、住環境に問題がないのならば、今の土地に家を建て替える方が費用を節約できるのでおすすめの方法だと言えるのです。

とはいえ、建て替えには、やはりメリットもあればデメリットもあります。
そこで、具体的に家を建て替えするメリットとデメリットについてご紹介していきましょう。

<家を建て替えするメリット>
・家の内装や外観など間取りの自由度が高い
・直したいところしっかり改善することができる
・新たに家と土地を買い換えるよりも費用が小さく済む
・住環境が変化しないので通勤、通学もこれまで通りですむ

<家を建て替えるデメリット4つ>
・リフォームや増築よりも金額が高くなる
・建築基準法の改正により、家が小さくなることがある
・再建築不可の土地の場合、建て替えができない場合もある
・工事中は仮住まいが必要となる(2回分の引越し費用も必要)

建て替えにはデメリットもありますが、何よりも大きなメリットは間取りの自由度が高くなることではないでしょうか。これはリフォームや増築との大きな違いです。

また、新築の家を購入するよりも、今の家を壊して新しくする方が、すでに土地をお持ちの分、土地付きの新築一戸建てを購入するよりも費用が節約できますし、家探しの手間も省けます。

2、家の建て替えをするなら知っておくべき基礎知識


ここまで家の建て替えをおすすめする理由をご紹介しましたが、次は家を建て替えすることが決まったら、どのような流れで進んで行くのか、建て替えのスケジュールや業者選び、家のプランニングをする上であらかじめ知っておくべき基礎知識について順を追ってご紹介します。

(1)建て替え可能な土地かどうかを調べる

家の建て替えを検討したら、何よりも最初に建て替えができる土地なのかを確かめましょう。
「長年住んだ家を解体して建て替えよう!」と、いざ解体工事を始めようとしたら、自分の家と土地が再建築不可で、家の建て替えプランが頓挫してしまったという話もよくあるからです。

出典:http://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/tochi/tochi_knowhow/150325/

「再建築不可」とは、その家が建てられた後に法改正があり、住居として不適格とされてしまった物件のことです。

例えば、よくあるのが、接道義務を果たしていない土地に建てられている家です。接道義務とは、建築基準法で定められた家を建てる時の条件の一つで、「4m以上の道路に2m以上接した土地でなければならない」というものです。

これは、災害時の避難経路の確保や消防車や救急車が通る通路の確保の目的で定められています。

昔は、旗竿敷地や袋地といった、道路に接していない土地も多く、隣の家の人の土地を通らせてもらって出入りする家もありました。その名残で、今も接道義務を果たしていないまま、ずっとお住いの方もおられます。このようなケースでは、現在の法律では、接道義務を果たしていないために、家を建て替えることができない、つまり再建築不可とされてしまうのです。

そこで、家の建て替えを考えたら、一番にすべきことは、再建築不可の土地ではないかの確認です。

①再建築不可の土地の対処法

もしも、接道義務を果たしていなくても、建て替えができないと諦めてしまわないでください。現状のままでは再建築不可だとわかった場合には、接道義務をクリアすれば再建築は可能です。

もしも道路が2mしかなく、後2m足りない場合には、道路に面した自分の土地を2m分だけ建物を建てずに開けておいて、道路の代わりにすれば良いのです。これをセットバックと言います。

出典:http://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/tochi/tochi_knowhow/150325/

ただし、セットバック部分は道路と同じ取り扱いになるため、塀や建物を建ててはいけなくなります。つまり、利用できる土地が小さくなり、建てられる家も小さくなってしまうのです。

②骨組みや柱を残したまま! リフォーム・リノベーションにする

どうしても、家が狭くなるのは嫌だという場合や再建築不可をクリアできない場合には、建て替えではなく、リフォームという選択肢もあります。
リフォームなら再建築不可物件でも、大きな柱や骨組がそのままなので工事可能です。この方法で満足できるかを一度検討してみるのが良いでしょう。

(2)情報を収集する

①業者探しと工事費用の相場をリサーチする

自分の家や土地が建て替え可能だとわかったら、次は業者探しに移ります。
リフォームではなく、更地にして建て直す場合は、解体工事の費用も予算に入れておきましょう。ちなみに、解体工事の相場は1坪あたり約3万円と言われていますので、一般的な一戸建てを解体する場合、130万〜150万円程度の工事費用が必要となります。

②間取りプランを大まかに考えておく

次に、家の建て替えをするにあたり、理想の間取りや外観があれば、メモしておきます。また、参考にした雑誌や広告、写真などがあれば業者に見せられるようにまとめておくのもおすすめです。

さらに、建て替え予定の土地と同じような広さで建て替えした場合、費用がどのくらいかかったのかなど、工事費用の相場をリサーチする必要もあります。これは、土地に対してどのくらいの大きさの家を建てるか、どのくらい材質にこだわるか窓で、費用は大きく変わって来ますので、複数のハウスメーカーや工務店に見積もりを取ってもらうのがおすすめです。

見積もりを取る前に少しでも相場を知りたいなら、同じようなエリアに建っている新築物件の価格を参考にされるのが良いでしょう。

③建て替え費用の支払い方法を考える

いくつかの業者を回り見積もりをもらったら、建て替えにかかる総費用が見えてきますので、次は資金計画を立てましょう。

建て替えだと住宅ローンは組めないのではないかと心配される方もおられますが、ローンを組むことは可能です。既存の土地に家を建て替える場合でも、審査に通れば融資は受けられます。建て替えローンを売り出している金融機関を調べるのも良いですし、取引のある金融機関に尋ねてみるのもおすすめです。
ただし、お住いの家のローンの残債があると、融資が下りない場合があるので、早めに金融機関に尋ねておきましょう。もしも、車のローンなど、他にお金を借りている場合は、貯金などで先にクリアにしておきましょう。家のローン審査が通りやすくなります。

(3)解体工事や建て替えを依頼する業者との契約

建て替えを依頼する業者をいくつか周り、最も信頼できる業者を選んだら、いよいよ業者との契約です。
予算をオーバーしないように、間取りプランを立てていきましょう。

①ローンを使う場合はローンの事前審査を受ける

建て替えローンを利用する場合は、どんな家に建て替える予定なのかがわからないと、金融機関の審査がおりない場合があります。業者と契約したら、なるべく早めに建築士や設計士に図面を描いてもらいましょう。

また、月々の返済金額に無理がないかの確認も大切です。

②解体工事開始

解体工事のスタートです。

・建物減失登記手続き
既存の家の取り壊しが終わったら、法務局に建物の減失登記の手続きをします。
自分でも手続きはできますが、司法書士や土地家屋調査士に依頼するのが一般的。費用は4〜5万円で、手続きは7~10日間ほどで完了します。

・敷地を整地し、測量する
家の解体工事後、敷地を平らに整地しましょう。もし、測量図がなければ測量し、新たに測量図を作成する必要があります。この時、測量費用が別途発生するので注意しましょう。(土地の広さなどによって金額が変わります)

③ローンの本審査

ローンの仮審査が通ったら住宅ローンの本審査に移ります。本審査では、仮審査の時よりもしっかり調査されますので、大まかな図面ではなく、役所に提出する建築確認済書や、土地の測量図、固定資産評価証明書や不動産登記簿謄本なども必要となります。

(4)建て替え工事&仮住まいへの引越し


解体工事が終わったら建て替え工事に移りますが、その前に地盤に問題がないか、地盤調査をするのが一般的です。地盤が緩い土地であれば改良工事を行います。

そして、建て替え工事中は、仮住まいへの引越しも必要となります。半年程度は仮住まい生活となりますので、引越し費用やその期間の生活費の確保が必要です。仮住まい探しなどはできるだけ早めにしておきましょう。

(5)融資実行と物件引渡し

建て替え工事が完了したら、引き渡しとなります。この時点で金融機関からの融資が実行されます。

(6)仮住まいから新居へ引っ越し

無事に家の引渡しが完了し、仮住まいから建て替えた家への引越しを終えたら、建て替え完了です。

まとめ

いかがでしたか。今回は、家の建て替えに関する基礎知識や建て替え工事のスケジュールについてご紹介しました。建て替えは新築よりも費用が少なく済み、理想の間取りに変更しやすいと思われがちです。しかし、場合によっては今の間取りよりも狭くなる可能性もあります。

お手持ちの土地が建て替え可能であるかどうか、また、思い描いている間取りに変更することができるか否か、予算内に収まるかどうかなどを事前によくプランニングしてから実行にうつしましょう。今回の記事が、家の建て替えをご検討中の方のご参考になれば幸いです。

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