ミニマムには価値がある? 30坪の家で快適生活

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住宅の購入を検討される方の中で、「30坪」という具体的なキーワードで検索する方が増えてきています。手頃な広さで、手頃な価格。新築戸建も検討できる坪数とあって、人気が高まっているのです。

しかし、ネット上の評価はいいものもあれば後悔を綴るブログもありと、玉石混合。
「で、結局30坪の家は広いの? 狭いの?」と迷う方も多いでしょう。

そこで今回は、30坪の家の考え方から快適な生活を送るためのコツまでお話ししします。

1、30坪なのは土地? 建物?


皆さんは建ぺい率という言葉をご存知でしょうか? 建ぺい率とは、土地の面積に対して建物を建てられる割合のことです。この建ぺい率は法令により土地ごとに定められているため、守る必要があります。

ですので、「この土地30坪あるから面積いっぱいに建物建てちゃって!」というのはできない相談となります。そこで、問題になるのは「30坪」が示す意味。土地か建物かで、実際に暮らす住居の広さが異なってくるというわけです。

(1)土地が30坪ある場合

土地が30坪ある場合、実際に建物を建てられる面積は79m²〜です。間取りはLDK+6畳程度の部屋が3つあるのが一般的な間取りとなります。

出典:https://www.seibu-k.co.jp/bukkens/view/03216050402

このようにある程度の収納を用意することもできます。

①車は2台置ける?

通勤や買い物、送迎にと、自家用車があれば便利だと感じる人は多いでしょう。「車は2台置けないと困る」という場合、30坪の家で、それは実現可能なのでしょうか?

答えは「YES」です。

実際に弊社で取り扱っている物件でも、土地30坪で2台分のカースペースを設置している物件もあります。

出典:https://www.seibu-k.co.jp/bukkens/view/03216050402

こちらは車種によりますが、2台駐車できます。また、2台駐車してもまだ余裕があるため、お子様の自転車なども合わせて置けます。
30坪あれば、必要最低限のスペースは余裕で確保できるようです。

(2)建築面積が30坪の場合

では、建築面積が30坪の場合はどうでしょう? 建ぺい率があることを踏まえますと、土地はさらに広いということになります。
具体的な間取りでは、こういった物件が多いのではないでしょうか?

出典:https://www.seibu-k. co.jp/bukkens/view/03216122305

土地が30坪ある場合と比べて、1室増えるイメージです。他にも建築面積が増えた分、それぞれの居室を広く取ることができています。

2、快適な生活を送るために、30坪をどう使う?


いかがでしょう? 「30坪って狭い」と感じましたか? それとも「意外と広い」と感じたでしょうか。同じ30坪でも、間取りや建築方法に工夫を凝らすことで、より快適な生活が送れるようになります。

ここでは、居心地の良い住まいにするためのポイントと注意すべき点についてお話しします。

(1)「暮らしやすさ」に欠かせないのは動線

暮らしやすい家とそうでない家は、何が違うのか知っていますか? そう、動線です。動線とは、人の動きを想定した線で、これをベースにドアの向きや部屋の配置を考えます。

想像してみてください。部屋のドアを開けたら対面のドアも同時に開いた場合、どちらかが譲らねばならない家や人にぶつからないと目的の場所にたどり着けない家。

一度くらいは気にしなくても、毎日のことだとストレスが溜まりますよね。
「でも、動線なんてどう考えたらいいのかわからない」という方もご安心ください。動線の考え方のコツをお教えします。

①まずは家族構成を把握しよう

動線を考える時に外せないのは、家族構成です。30坪の家を購入される方は、3〜4人家族の方が多いのではないでしょうか?
その家に住む人を決めたら、次は誰が何をするのかを書き出します。

「リビングにいる時間が長いのは誰?」「掃除や洗濯を主にするのは誰?」「キッチンによく入るのは?」「そしてその人の居室は?」
イメージしながら間取りに線を引いて行ってみましょう。あまりに線が重なるところ、スムーズにいかない部分があれば、それがその家の課題といえます。

②水周りは1カ所にまとめた方がお得

トイレ・お風呂・キッチンといった水周りは可能な限り1カ所にまとめた方が良いというのは不動産業界の定説です。もちろん動線を短くする効果もありますが、後々住宅に対して修繕が必要となった場合、コスト削減につながるというのも大きな理由です。

③洗濯機はどこに置く? 洗濯物はどこに干す?

洗濯も毎日のことです。30坪の家を考える時、よく考えて欲しいのは洗濯機の置き場です。1階に水周りと洗濯機、2階にバルコニー
とリビング・キッチンという間取りも非常に多く見られます。

建築面積が限られているので仕方のない部分もありますが、毎日洗濯物を持って往復できるか考えましょう。また、バルコニーがリビングの横にしかない場合、来客の際に干した洗濯物が丸見えになる可能性もあります。

こちらも動線と合わせてよく考えてみましょう。

(2)「工夫したい」その工夫、デメリットはない?

「狭い土地にも関わらず、こんな工夫で広さが体感できます!」とテレビの不動産系の番組で聞いたことはないでしょうか? 「なんだ、そうすればいいのか」と思われるかもしれませんが、ちょっと待ってください。

その工夫、デメリットはありませんか?

①光が通れば音も通る吹き抜け

光がふんだんに取り込めるようにとよく勧められる吹き抜け。玄関やリビングが明るいと嬉しくなりますよね。吹き抜けを検討される際に注意していただきたい点があります。
それは、「光が通れば音も通る」という点です。

玄関での立ち話が2階の居室に聞こえる程度ならば良いかもしれませんが、リビングのテレビの音声も吹き抜けは吸い上げてしまいます。2階にははっきりとテレビの音声が聞こえるのに、肝心のリビングではテレビの音声が逃げて聞こえないというケースもあるようです。

壁の素材などである程度防止できる場合もありますので、気になるようならプランナーに相談してみましょう。

②スキップフロア建築の10年後は?


出典:http://www.tv-tokyo.co.jp/dreamhouse/special15_070708_01.html

階を半層ずらし、居住スペースを増やすスキップフロアの家。狭小住宅を広く見せる効果があるとして人気があります。特に小さなお子さんのいるご家庭では、「家事をしながら子供の様子を見られる」と好評です。

しかし、5年後10年後、歳月が経ちますとお子さんも成長してプライバシーを求めるようになります。スキップフロアを検討する場合は、家族の5年後、10年後の姿も想定し、無理のない計画にしましょう。

③天窓(トップライト)はどうやって掃除する?

採光を目的につけられる天窓、新築当初はピカピカで綺麗でも日々を過ごすうちに汚れが気になることも。そして、いざ掃除をしようとして「あれ? どうやって掃除するんだろう」と迷う方が多いようです。

はしごやモップを駆使して掃除する方もいますが、危険が高いのでプロに頼んだ方がいいでしょう。天窓をつける際には、メンテナンス費用も考慮しましょう。

(3)これは使える! 快適な住居にするポイント

工夫をしようと思ったのに、ダメだしばかりでは不安になってしまいますよね。こちらでは、快適な住居にするためのポイントについてお教えします。

①下駄箱は既製品ではなく作りつけで

30坪前後の家を購入した後、悩まれる方が多いのが玄関の狭さと暗さです。既製品の下駄箱をつけた場合、どうしてもドア側にせり出して圧迫感を与えます。そうならないよう、下駄箱は作り付けのものをお勧めしています。

家族構成やニーズに即した下駄箱を作ってもらった方が、スムーズな動線が実現できます。

②玄関には屋根を

30坪の家では、大人二人が玄関に並んで入ることは難しいケースが殆どです。となると、一人は玄関前で待つことに。家族ならばいいかもしれませんが、お客様だとしたらどうでしょう?

晴天の日ならばいいのですが、気候の激しい日本のこと。屋根があったほうが急な雨などで慌てずにすみます。

③床下や階段の収納を有効活用する

戸建住宅にとって悩みの種になるのが、収納スペース不足。家族がいればどんどん物が増えていきます。そんな時、あらかじめ床下や階段下のデッドスペースに収納スペースを用意するようにしておきましょう。

3、30坪の家、予算はいくら?

意外と自由度の高い30坪の家ですが、気になる予算はいくらでしょうか?
一般的に大手住宅メーカーに30坪の家を依頼すると、住居部分だけで2500万円と言われています。

ハウスメーカーや工務店となるとやや値段が下がり、1900万円台で可能なことも。

坪単価として50万円から65万円を目安にするといいでしょう。
ただし、こちらは住居部分のみの費用ですので、この他に土地代や諸費用がかかります。トータル予算を出す時の目安は、次の通りです。

(1)新しく購入する場合

住宅を購入するにあたって、必要となる費用は下記の通りです。

・ 土地+建物代
・ 仲介手数料
・ ローン申込手数料
・ 不動産取得税
・ 固定資産税
・ 引越し代
・ 家具代

(2)今ある土地に建て替えをする場合

今ある住居を壊して新築する場合、土地代はかかりませんが解体費用などがかかります。

・建物代
・解体費用
・仮住いの費用
・引越し代(2回分)
・ 仲介手数料
・ ローン申込手数料
・ 不動産取得税
・ 固定資産税
・家具代

見落としがちなのが、引越しが2回あること。仮住いへの荷物の搬出と新居への運び入れですね。また、仮住いが賃貸である場合、契約料と家賃などもかかってきますので注意が必要です。

まとめ

いかがでしたか? 今回は30坪の家をより快適に過ごすための工夫についてお話をさせていただきました。「住めば都」「笑う門には福来たる」に代表されるように、日本には古来から住居に関することわざや慣用句が多く残されています。

それだけ日本人にとって住居は大切なものなのでしょう。せっかく住居を手に入れるなら、より居心地の良い住居にしたいものですね。
この記事が、あなたにとってより良い住宅選びの手助けになれば幸いです。

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